①遊びを通して、体の使い方を覚えること
このために作ったおもちゃは、はいはい階段やダンボールのお家などです。

②当たり前のことを理解してもらう
   (例 物は上から下に落ちる)
これについては、驚くようなことが色々ありました。
例えば、1才10ヶ月の時に輪投げを作ったのですが、輪をポールの上から入れるということが理解できず、ポールの下から入れようとしたり、引き抜こうとしたりしました。
ポールの上から入れて、上から抜くという見本を見せたり、一緒に入れたり抜いたりして遊ぶうちに、下からひっぱっても抜けないということを理解したようでした。このように、私たちには当然と思うことを理解しづらい子供には、経験させて分かってもらうしか方法がないように思います。

③出来たという体験や、達成感を味わえること
安藤忠先生は「大切なのは『自分はこれをやれた!自分はすごいやつだ!』と、子供に自信を持たせること」と仰います。
7才の頃は、何かが出来た時「有香ちゃんだって、やれば出来るねん!」と言いました。6才の頃は「有香ちゃんはお姉ちゃんだからできるの」とか「さすが有香ちゃん」と言ったり、「有香ちゃんすごい?」と聞いたりしていました。その前は「できた~」と言って喜んでいました。言葉の出なかった時代には、自分で手をたたいて喜んでいました。
成長と共に表現方法は変わってきましたが、“自分に出来た”ということを本当に喜ぶ姿を見るにつけ、安藤先生が仰る『子供に自信をつけることの大切さ』を実感しています。
この、自信をつけさせる方法には色々あると思いますが、手軽に『できた!』という体験をさせてあげられるのがおもちゃではないかと思います。

④遊びを通して思考力や想像力を身につけること
以前、言語聴覚士の先生から「好きなことは理解できます」というお話を聞きました。一例ですが、ある男の子は、数は分からないのに、大好きなエレベーターだと、「7階の下は?」と聞くと「6階」と答えるそうです。男の子のお母さんは、お子さんに付き合って、日に何度も何度もエレベーターに乗ったそうです。
『好きなことは理解できる』ということは、好きなことは何回も繰り返せる、ということで、この繰り返しの経験により体得したものを、子供たちは自分のものに出来るのだと思います。
私たちは、例えば何かを見れば、『ここがこうなっているということは、こうすればこうなるな…』と簡単に想像しますが、ダウン症のある幼児には、そういう思考力が働きません。だから、いろんな経験を一杯積むことが必要なのだと思います。
心の中に多くの経験が蓄積されたら、ある日、あれとこれが結びつく…という形で、経験していないことでも、予想することが出来るようになるのだと思います。
例えば積み木を例にとれば、積み木を積んだり、くずしたりを繰り返すうちに、『こう積むとくずれやすいので、こう積んだ方が良いのでは?』と自分で研究を始めます。そうやって考える力がつくのだと思います。

⑤分りにくい算数などを、理解しやすくさせること
ある専門家は「子供が分からないのではない、分らせ方が足りない」と仰います。子供に理解できなければ、大人が提示の仕方を変えればいいと仰います。
これでダメならこう、それでもダメならこう…と、子供が理解しやすい方法を考えるのです。
有香が小学校へ入学し、算数の勉強が始まると、本当に算数は難しいと思いました。私たちにとっての、算数が好きとか苦手とかいうこととはまったく次元が違います。そこで、算数を分りやすくするための教材を数点作りました。